この作品に出会って、
「これまで読んでいた本は、白黒で表現する水墨画のようだったかもしれない」
なんて、思った。
この作品を一言で言えば
「カラフルなモザイク画」
だ。もちろん、これは小説の話。
だから、水墨画やモザイク画の表現は、私のイメージ。
この作品ほど、ガチャガチャしているものに出会ったことがない。
そもそも、出会った書籍自体が少ないのもあるが。。。
海外ドラマの主人公のように、この作品の主人公アニーは、落ち着くことを知らないようだ。
アニーは常々「ゆっくりしたい」という願望を持っているようだが
環境か、状況か、性格かが災いして、落ち着くコトが一篇たりともない。
更に、本作品は「贋作」をテーマとした、殺人事件の話なのだが
それとは全く関係ないと思われる出来事が、アニーに振りかかる。
もしくは、アニーが引き寄せる。
そんな忙しない物語が紡がれていくのだが、何故かいつの間にか
すべてがまとまって、殺人事件の背景が明らかになるのだ。
隣り合う色に関連性が全くなさそうなのに、全体として、それが調和している
そんな作品が、この「贋作に明日はない」だ。
この作品は、シリーズの二作目のようで、一作目は
「贋作と共に去りぬ」ということだ。
忙しない作風は、かなり読了に困難を極めたが、物語は非常に面白かった。
だから、一作目も読んでみたいな。
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