天冥の標シリーズ
第4作目。
平たく言えば、セックスアンドロイド。
技術が進歩していけば、必ずこういうアイディアは出てくるだろう。
しかし、この作品に描かれるセックスアンドロイド・ラバーズは、性愛の奉仕こそ
存在の中心だが、それだけの存在ではない。
価値観があり、倫理観があり、悩む姿は、人間そのものだ。
ロボットでは無い。
体が機械ではあるが、心と魂を持つヒトだと思う。
そして、そうであって欲しいと願う。
セックスを描くと官能小説になりがちだが、この作品は
ただのエロい小説だけではなかった。
存在の中心が「性愛の奉仕」とする存在を語るのに、エロは不可避。
しかし、アンドロイドが種の存続をかける姿は
エロでは扱えない、葛藤や悩みがある。
そうした部分が、この物語を引き立てている。
そして、やはり「天冥の標」シリーズ。
ちゃんとつながるようにできている。
第1作のキーマン「ラゴス」
彼が、この作品に出てくる。
ラゴスの過去が描かれるこの作品は、それだけでも、非常に面白く
価値がある。
まだまだ、シリーズの全体はつかめないものの、物語にのめり込んでしまう。
次作も楽しみだ。
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